G Ride Audio White Devil 3s (2)

yuki3.hatenablog.jp

去年末導入したケーブルが馴染んできたので音質Reviewです。

以前Shunyata Research Anaconda Helix alphaをEnigma Acoustics Athena A1に接続していたので、それを基準点にします。Syunyataは現在CHORD QUTESTに電源を供給するAudio Design DCA-5Vに移動しています。

 

Shunyataの前にはTransparent PLMMを使っていて、情報量や低域の量感に優れますが、ダークな音色がシステム全体の方向性に合っていなかったため手放すことにしました。そしてShunyataは暖色系で同じく低域の量感が豊かなタイプですが、Transparentのような音色の癖がなく、非常に扱いやすいケーブルでした。ただし基礎性能はTransparentに劣ります。PLMMは音像の張りの強さや、微細な情報を掘り起こして聴き応えのある音を演出していた面がありました。Anaconda Helix alphaにはそういう演出はなく、やや明るめなテイストで自然な描写を目指しているように感じられ、安心感はあるけれど時折何か物足りないような、そんなケーブルでした。音色に癖がなく汎用性はあるので、現在はとりあえずDAC側に移動しています。

 

これらの経緯を踏まえてWhite Devil 3sのReviewです。音色は微暖色系で明るめ基調。まずは私の好みの路線と温度感であることに一安心。PLMMを凌ぐ基礎性能を持ちながら、支配的な音色の癖を持たないので汎用性にも優れます。プラグはCardas 3455Rで、ロジウムメッキである程度キリっと立たせてますが、フルテックの50シリーズほど輪郭強調型ではないので良いバランスです。空間表現は上下左右ともに広々としていて、しかも薄くならずに密度がしっかり詰まっており充実感があります。

ちなみにこのレベルまでケーブルの性能が上がってくると、こちらのシステムがその情報量を捌き切れない場面が出てきました。モコモコとして余韻ばかりが響いてふわふわするという感じで、音数の多い場面で時折発生します。しかしながら機材の方をこれに見合うものに更新しようとすれば一気に1台3桁万円クラスに跳ね上がってしまい、なかなかそれを手迎えることは私にとって現実的ではありません。当方ヘッドホンオーディオなので、ヘッドホンアンプであればOJI Specialやマス工房、RE・LEAFそしてGOLDMUND等が上げられますが、RE・LEAFは最終的にDCアダプター経由となるので多少はスポイルされる感じがしますし、GOLDMUNDはきちんとアースが取れない環境では余韻が引きずってしまい正しい出音にならないようです。White Devil 3sの傾向に合う意味でもニュートラル系なOJI Specialが妥当でしょうが、これはDAC付きではないので・・・マス工房はモニター系のカチッとした表現なので、また別の選択肢もあるような気がします(MIT , Ansuz?)。いずれにせよDACが現状のCHORD QUTESTでは明らかに役不足でしょう。

 

White Devil 3sをもって電源ケーブルの終着点、と捉える方もおられるようです。各項目(低音・高音・音場・密度・分解能・音色etc)のどれか1つ2つはWhite Devil 3sより突出しているケーブルはありますが、トータルの完成度ではWhite Devil 3sの方に軍配が上がるという評価でした。しかもその「突出した1、2項目を有する電源ケーブル」は、価格がWhite Devil 3sの倍以上するものばかりです。50~80万円くらい?

そうしたことを考えると、巡り巡って最後はギリギリ常識の範囲に収めることが可能な?(個人的には20万円がギリギリです。異論は認めますw)ところに落ち着くというのが面白いなぁと思うのです。

気が付けばこんなに遠回りしてしまったよ、と当人は思うのかもしれませんし、懐が深いオーディオマニアならそれも経験と笑って済ませてしまうような気がします。

そしてそんな「ひとつの終着点」を、私は8万円で譲って頂けて幸運なのは確かですが。

なおさら他のケーブルへの見方というか要求度がシビアにならざるを得ないことに(