Cardas Clear Serial Buss USB

 

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オーディオ用USBケーブルの黎明期から10年に渡ってロングランの製品ですが、Cardasは初めての購入です。LUMIN L1にはNordost Heimdall2を3年使っていましたが、被覆が硬く何度もセッティングを変更しているうちに、経年劣化でコネクタが緩くなってしまい、90度くらい回転するようになってしまったので、Heimdall2は引退させてCardasを用意しました。

CardasのUSBは細身で取り回しも良好で、被覆もある程度柔軟性があります。3万円付近のUSBではAIM UA3が人気ですが、3年くらい前に下位モデルを試した印象ではAIMにあまり良い印象を持てませんでした。UA3自体は聴いていないのですが、下位モデルの延長線上にある音だと想像すると私はあまり手が伸びません。

旧ブログ時代にDAC選びに難航した頃を思い出します。どうも私は性能面よりもまず音色や温度感、音楽的な表現が自分の感覚と合っているかという点が重要なようです。これらの要素に何か違和感がある場合、性能面が向上しても評価が好転することは殆どありませんでした。

この「音触」とでも表現できそうな領域って、DACやその他の機器、そしてケーブル以外にも多種多様に存在していて、インシュレータやオーディオボード、電源タップはもちろん、前回少し話題に出したPCの音楽再生ソフトもそれぞれ微妙に音の感触が違います。

TuneBrowser・foobar2000・uLilith・Fittle・Winamp・AIMP・KORG AudioGate4・PlayPCMWin etc...

過去にはUIの機能性に問題があるソフトも多くて、列挙した中には今ではあまり使われていないものもありますが、当時あれこれ試した経験では「どれも全て音が違う」と。

これらは全てASIO出力で統一したビットパーフェクト環境の話です。

 

話が大幅に脱線しましたがCardasの評に移ります。中低域寄りのバランスで上方向の展開が弱い点は多少気になりますが曇った感じはしません。中域に厚みや濃さを出してくる方向ではWireworldと似ていますが、高域表現において違いが出てきます。煌めきがありつつスモーキーで若干見通しが良くないWireworld、地味で伸びないけど視界はその名の通りクリアなCardas。パッと聴いて情報量が多いのはWireworldで私も以前はこういう音を好みましたが、最近は地味だけど「余計な音が出ていない、必要な情報がマスクされていない」ことの良さも分かるようになってきました。この傾向はG Ride Audio White Devil 3s以降の私の路線ですね。