RE・LEAF E3 Hybrid dC

RE・LEAF E1は200万円を超えるのでとても手が届きませんが、E3なら・・・ということで。

電源のみE1仕様です。ちなみに青い方が本来は下向きのようですが、電源ケーブルを捻ると本体が浮くので、インレットに負担をかけないことを優先しました。

本当はWhite Devil 3sを繋ぎたいのですが、硬すぎてどうにもなりません。仕方なくPADのTANTUS(プラグはオヤイデM1・F1)を持ってきました。

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QUTESTはしばらくまだ現役です。本当はXLR出力のDACでフルバランス化したいのですが、このDAC自体の音色を気に入っているので。この先はCDプレイヤーにするかPCオーディオを継続するか、分岐の選択となります。

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以前の試聴で、ヘッドホンとの相性さえ良ければ電流駆動の方に明確な優位性がありました。電圧駆動では高域の質感に粗さが出て音も薄くなります。なので自宅では電流駆動しか使っていません。

相性の良いヘッドホンはfinal D8000やSenn HD800S等。能率が極端に低いものは音量が足りず厳しいです。背面にゲインスイッチがあり、マイナスドライバーを入れて爪を起こして切り替えることが出来ます。取説の記載に準拠すれば一般的なDACのXLR出力4V(RCAは2V)なら+6で、MYTEK等の8Vを超えるようなものはE3側は0で良いと思います。+12は許容入力が小さく、あまり使う場面が無さそうです。

縦置き用木製スタンドは使わず、足元はAITEC Λ8.24Proにしました。

 

音は非常に澄んでいて滑らかで、とても綺麗なのですが最初はどこか掴み所のないサラッとした印象でした。ローの浅いところで量感を出す、所謂「盛る」音ではなく、本来のフラットバランスを志向しているからでしょう。なのでレンジが狭いヘッドホンでは低域は出てないと感じるかもしれません。final D8000はローエンドの深いところまでユニット自体の力で出せるのでこの問題をクリアできます。なおかつ普通のHPAでは中域に低音が被るという点をかなり軽減してくれます。必要な音がきちんと届いて余分な音は出さない、このバランスが絶妙な組み合わせと思います。

E3でもうひとつ重要なポイントは「ハイスピード」であるということです。そしてそれは輪郭を強調することによる「スピード感のある音」が演出に過ぎないということがよく分かります。E3は逆説的ですが「速さすら感じさせない」音です。輪郭が立つというのはおそらくオーバーシュートのことで、マッタリ鈍らな音は立ち上がりが台形となっているでしょう。理想は入力信号に対して限りなく直角に上がり、頂点で余計な棘が出ないこと。皮肉なことに、そこに可能な限り近づくと出音はあまりにもサラッと素通りしてしまうような、却って「普通の音」として印象に残らない可能性さえあります。これはある程度経験を積んでいかないと本当の良さが分からないかも知れないし、変に弄繰り回して盛った音に常日頃接していると、感覚が麻痺していて本当の自然な音を聴いてもそれと気づけないこともあるでしょう。

上位のE1は、さらに研ぎ澄まされた音でE3は厳密に比較すれば僅かな癖がある、と評する方もいるようです。電圧駆動という「救済措置」を省いているので、購入前にヘッドホンとのマッチングを事前に確認する必要があります。音量が足りないという例もありますが、ヘッドホンの特性自体に強いピークがあると、より強調してしまう結果になるそう。Focal Utopiaは電圧駆動の方が良いと評した方もいます。

確かにE1を試聴した際には(価格はともかく)確かにQUTEST→E3より一段違う次元にありました。ヘッドホンオーディオでこの領域を目指そうと思う方が果たしてどれだけいるのかは難しいところですが・・・