ケーブル道楽

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何やら異常に太いケーブルが(

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今回はSyunyata Research Anaconda Helix Alphaを買ってみました。

15年ほど前?33万円で輸入販売されていたようで、中古9.8万円で購入。

ケーブル自体はさほど重くないのですが、例によって挿入角度は僅かに垂れるので。

Transparent PLMMを使っていた時と同じようにMistral TUNDRAでプラグを支えています。

Wattgateのインレットプラグはたいてい緩めな気がします。

AETやOyaideのインレットは、奥に入る直前に反発感があり、その直後に「コン」と一気に入るのに対して、Wattgateはリニアにスーッと入ってしまうので、どうも奥まで挿し込めてるのかわかりにくいところがあります。

 

Syunyataの傾向としては、爽やか系の要素を含みながらも基調としては暖色寄りで、季節的には「春っぽい音」です。比較対象としてはCHORD Sarum Super Arayを一度フォロワーさんにお借りしたことがありますが、彼方は「冬景色」を想起させます。両者はどちらも有機的で温度感も高めですが、それでもこのような違いが生まれてくるのがオーディオの面白さや奥深さであるとも言えるでしょう。

Transparent PLMMは、低域の密度や空間の広さ、高いS/Nといった基本性能を備えていますが「背景を黒く染めてしまう」という副作用があり、この支配はかなり強力なものでした。この音の世界観は、実は現状のシステム、特にCHORDのDACとは相性が悪かったのです。HPAのEnigma Acoustics Athena A1についても同じで、本来は開放的で晴れやかな音の雰囲気に寄せた方が合っています。それでも基本性能の高さが惜しく感じ、何度も外しては戻すということを繰り返していたのが実情。

 

PLMMと性能は遜色なく、そして開放的で明るい音のケーブルを探していたところに、このSyunyataはうまく適合したように感じます。単純な性能ではTransparentの方が若干各要素で上かもしれませんが。特に低域の量感や音像の実体感について。

S/Nは当時のケーブルでは優秀な方だと感じますがそれをひけらかすことをせず、そしてそれは低域の出方にも現れていて、帯域を欲張って音が重くなったり、膨らむことがなく自然にスッと出てきます。中域の見通しの良さを重視するとやっぱりこういうタイプが良いんですよね。なおかつ定位は適度に緩さを残していて肩の力が抜ける感じ。

前回のKimber Selectもこういうタイプで好印象でしたし、この路線は自分に合っているのでしょう。

そして最後に、中高域に上手な匙加減で華やかな色が乗っていて、これはいわゆる「ハイエンドっぽさ」のひとつの典型的な演出と見ていいでしょう。

CHORD・Purist Audio Design・Kimber Select、そしてこのSyunyata Researchも、微妙にこの演出された世界観というのは異なるのであって、それを自分のシステムに配合し掛け合わせていくことも、オーディオの楽しみ方のひとつなのであります。

それは本来の音楽を純粋に享受しているとは言えないのではないか?という根源的な問いが、時に脳裏を掠めていく。十分に楽しんだ後、そこから解脱していく人も私は見てきましたし、今後私がどう変節していくのかも、まだ定かではありませんが・・・

 

しばらくは、気の赴くままに、たまに「配合」を変えて試しては、ゆったり身を委ねていたいと思うのです。