音楽とオーディオとの向き合い方

前回記事の最後で、

「しばらくオーディオの仔細な追求を中止する。それは2~3年続くかもしれない。」という趣旨で今後の展望を書きました。

先日のZEN Streamの不調を結局自力で復旧出来ず、音質を追求する以前に音を出せなくては仕方がないし、余計にストレスを蓄積するよりは割り切って昔のスタイル(PCのUSBポートからDAC直結)に戻す決断をしました。

yuki3.hatenablog.jp

ネットワークオーディオからスタンドアローンへ回帰

特に最近のトレンドではDAC以前のネットワークトランスポートに注力する傾向が見られます。私も「最後の詰め」として結局やり残した箇所として、光アイソレーションがあります。光の場合ケーブルは長い方が良いとか、従来の感覚からはセオリーとして外れる要素があって面白いなと思いながら遠巻きに眺めていたり。

もはやネットワークを通さない「PCオーディオ」はroonの登場により廃れてしまった印象があります。確かに機能面で言えば他のソフトを引き離して断トツに便利であることは確かです。しかし我々オーディオマニアがroonで音質を追求しようとすると、途端にシステムが複雑化してしまいがち・・・。

ルーターやハブ、そして光メディアコンバーター、これらの機器がACアダプタの場合は電源をトランスに置き換える方もいるでしょう。筐体の数はいつの間にか増えてスペースを圧迫し、それらを繋ぐケーブルが縦横無尽に交差しラック裏の景観が混沌としていきます。

そしてさらに、ここが私も躓いてしまったポイントなのですが、何かトラブルが発生すると相応のPCとネットワーク環境の知識が必要になります。もちろん通信が出来ていなければ音楽を聴くことが出来ないし、設定の変更に悪戦苦闘することは余計にストレスを蓄積することになります。

というわけで、現在はPCのUSBポートから直接DACに繋ぐ、昔ながら(?)のPCオーディオに戻したのです。これは普段使いのインターネットに接続されたPCではあるので、構想としてはもう一台「オーディオ専用PC」を用意して、ネットから遮断しても良いかなと思ってます。

自分の音の核となる部分を基に「妥協点」を設定する

厳密に言えばroon bridgeを経由した方が音は良いのですが、それが使えなくともTuneBrowserのWASAPI出力ならば私の求めている音の方向性に近いので、特に問題なく毎日聴けています。解像度や分離といったオーディオ的諸性能で言えばbridge経由のroonですが、音色の観点から言えばTuneBrowserのWASAPIが好ましい。ASIOだと音が硬くてダメ、roonはcore PCから直接USBで出してしまうと出力方式に関わらず一段落ちる印象。

このように次善策として妥協出来るラインを設定する際に、どの項目を重視するか決めるには「自分の音の核」となる部分を認識しておく必要があります。もちろんこの判断基準は人それぞれ違うので、私はASIOの音が硬いと感じるけれど、「輪郭がキッチリ出ていて良い」と判断して採用する人もいるはずです。そこは個人の好みが反映される趣味の世界なので。

完璧主義でより高みを目指す方や、自分の音が複雑なバランスの上に確立されている人ほど、些細な変更点が致命的な結果として現れるものです。roonのbuildを「前の音の方が良かった」と判断して頻繁に戻す方もおられるくらいですから・・・。そのような方は妥協点との折り合いの付け方も難しいだろうなと思います。

音楽とオーディオとの向き合い方

今年はどちらかと言えば「音質追求」の上半期でした。ライブラリを眺めていると2023年に買った音源は意外と少ない。そして音質追求モードに入っている時は、比較をやりやすくするために「同じお気に入りの音源を繰り返し聴く」という習性が私にはあります。

クラシックのCDなり配信音源を集中的に買い込んでいた時期は、ちょうど新型コロナが広まり始め人々が集団での会合を自粛していた頃と重なります。この3年間で多様な音楽に触れて、再び活動的になった今年の上半期で音質追求モードに突入した際に、これまでとは異なる視点を取り入れることが出来ました。自画自賛になりますが音の「認知力」もいつの間にか結構上がっていたような気がします。kanataさん、そしてpontaさんとのオフ会も貴重な経験でした。直接お会いして交流し実際に聴かせて頂くことは、自分にない視点をフィードバックする最良の方法だと思います。

 

しかしどうやら、私はまた地下に潜る時期が来たようです。短期間でアウトプットを出し切ってしまい、やや精神的に疲れが出ています。結構お金も使ってしまったし・・・

元々若い頃はメンタルの上下が激しい気質で、過去の経験からこういう時に余計な動きをしてはいけないことを学んでいます。予期せぬ致命的な一撃は、予後の回復を遅らせる・・・

不穏な兆候が出てきたら、ゆっくりインプットを蓄積すること。気ままにCDや配信を買い集めることに専念し、オーディオは弄らず配置も動かさず、ただ毎日聴くだけ。

そうしてエネルギーが十分に回復することを待ちます。それこそ、年単位で。

 

夏の間は📷を持ち運ぶのが億劫でしたが、そろそろ再開しましょう・・・