ROONの利便性

欧州ではオーディオファイルから音楽好きまで、ROONは圧倒的なシェアを占めていると思われます。日本ではTIDALやQobuzがまだ正式に日本上陸しておらず、サブスクとの連携が出来ない新規ユーザーはその点で悩まれている雰囲気を感じます。以前はVPNPaypal支払いによってTIDALの契約に漕ぎつけられたらしいですが、現在では対策が講じられて、こうした方法でも決済時に弾かれてしまう模様。日本上陸に向けて準備が進められてはいるようですが、以前の予告にあった2022Q1では実現されていません。クラシックではQobuzの方が豊富なのですが、こちらについてはより動きが遅いです。こうした点にもどかしさを感じてはいますが、手持ちのライブラリのみで聴く段階でも、ROONは個人的には非常に魅力的なソフトです。今後の発展性に期待する形で、トライアルは解約せずに、そのまま自動的に本契約に進みます。永年はちょっと高いので、まずは年額払いにしました。

 

まずこのUIが非常に洗練されています。TIDALと連携されていれば、クレジットから作曲家・演奏家その他様々な観点のリンクから膨大な音源に飛んでいけるわけですから、ROONが欧州で人気なのも頷けます。ライブラリ初回読み込み時にROON独自のデータベースに置き換える作業に1時間くらい要しました。その間は音飛びが激しいのでしばらく放置しておきましょう。SONY Music Center for PCのようにデータのタグを置換することはありませんし、ROON上の表記とオリジナルどちらを優先するか変更も出来るので、その点は安心して大丈夫です。

ROONの利便性はサブスクとの連携だけではありません。タブレットスマホによるRoon Remoteにおいて、そのデバイスを「Outputとしても」利用できます。一部例外はありましたが、これまでのネットワークオーディオでは単にタブレット端末はリモコンとしての使い方しか出来なかったと思います。試しにandroidからコアPCのライブラリを見て、寝室のBTスピーカーに飛ばして音出しを確認できました。ただYOYO-Mは最初から妥協して導入したものではあるのですが、あまり音が良くなくて稼働率が低いです。ここで、ROONを活用すれば全てのデバイスで音源を同期して揃える必要がないし、どのデバイスもOutputとして使えることに気付きます。メインのヘッドホンシステムは、家にいても聴ける時間帯が完全には自由ではないのです。居間に設置してあって横で家族がテレビを見ている時間はヘッドホンが満足に聴けないわけですね。final D8000は開放型なのでどうしても外部の音が聴こえてくるし・・・たいてい寝静まった深夜に聴き始めるか、テレビが付いていない日や時間帯を使います。

というわけでポータブルオーディオにも手を出してみようかと画策しています。DAPというのはmicroSDの認識できる容量がたいてい1TBだったり限界がありますから、外に持ち出して聴く用にセレクトした少数の音源だけ入れておいて、その他は家でROONにアクセスしてしまえば良い。

roonlabs.com

AKの比較的新しい世代の製品が既にROON READYに対応していました。イヤホンを買うなら既に決めている製品があるので、後はDAPをこの中から選ぶことになりそうです。

ROONの音質編は次回に分けます。