my new gear... 「PASS HPA-1」

このヘッドホンアンプへの思い入れは特別なものがあります。この製品が発売された今から6年前、短期間だけ展示機が置かれて一度聴きに行きました。

当時の私はまだfinal D8000導入前でSenn HD800を長らく固定して使っていました。20代半ばで段々オーディオに使えるお金が増えてきたものの、まだまだ経験値が足りないような状況です。試聴して確かにとても印象は良かったのですが、50万円を即決するだけの勇気は・・・。また自宅ではAudio Design DCHP-100を据えていて次はフルバランス構成を検討していたので、PASSの「入出力ともにアンバランス」のヘッドホンアンプは見送ることに。

それ以降、このPASSアンプはどこにも店頭で展示機が置かれることはなく、またヘッドホン祭などのイベントでも登場することはありませんでした。代理店のエレクトリがヘッドホンユーザーにそこまで注視している気配がないので、予想できた展開ではありました。

それから6年が経ち、kanataさんとのオフ会でPASSのアンプと再会を果たします。

yuki3.hatenablog.jp

PASS HPA-1

MSBシステムを先に聴かせて頂きましたが、記事ではPASSの方から書き始めます。MSBのDACがXLR出力のみなので、MPD-8のRCAから私が持参したKimber Selectの1020と、D8000の6.3mmを用います。

MPDの支配力は感じられますが、それでもPASSの音色の素性の良さは感じられます。自宅のQUTESTと相性が良ければ、4pinバランスからシングルエンドに回帰する路線を検討するかもしれません。

そして何より驚きだったのがkanataさんのこの発言・・・

確かに6年前、試聴して即決は出来ませんでしたが、その音色はとても惹かれるものを感じました。でもあの頃の私はPhileWebコミュニティで執筆されていたkanataさんを一方的に観察していただけで、相互で繋がっていたわけではないのです。なのにどうして「絶対私が好きな音」だと分かるのでしょうか。

先代LA SOURCEと通算して5年間書き続けていて、まぁ色々ありました。twitterも含めてたまに疲れてしまったりはするけれど、それでも「発信し続ける」ことには意味があると信じたいです。商業色がまるでなく、また私は言葉選びがどうしても強くなる傾向があるので、無用な衝突や反感を持たれることもあろうかと思います。しかし私は「100人のうち1人でも、何か響くものがあればそれで良い」というスタンスで運営しています。それが巡り巡って今回のような「人とモノの縁」に繋がることもあるのだから・・・

 

PASSのオーナーを名乗り出た3日後にはD8000を持って再びkanata亭へ。DACはMPD-8で相当に底上げされた音を聴いているので、今ここで聴くPASSの音と自宅へ持ち帰ってQUTESTから聴く音は相当な開きがあるでしょう。詳細は次回記事に回しますが実際にその通りの結果になっています。自宅でも既に十分に良い音は出ているんですけどね・・・

「これで家に持ち帰って音が悪いなんて言われても、私は知りません」

とkanataさんは冗談めかして仰られました。

おそらくこのPASS HPA-1が、私のヘッドホンアンプ遍歴の終着点になるでしょう。

ずっと長く付き合って、私はこの想いに報いるのです。オーナーを名乗り出るとは、同時にその使命を背負うということに他ならないのだから。

 

P.S.

「今まで使ってたRe・LEAF E3 dCは?」

売却してません。活躍する場所はちゃんとあります。

実はPASSを設置しているのは1Fのリビングで、家族が横でテレビを見ている時間帯は稼働できないのです。2Fの寝室にCayin N8をラインアウトで接続するコンパクトシステムを増設したので、E3はここで引き続き頑張ってもらいます。付属の4.4 to XLRが短いのですが、Hiby Linkでスマホからコントロール出来るので不便はありません。