オーオタ国勢調査

BA多ドラと、DD・BAハイブリッド方式がお互いに25%で拮抗していますが、私はこれを合算して70%を超えてくると思っていました。1DDは2割程度だろうと・・・

現在のイヤホン市場は多ドラ構成のイヤホンが圧倒的多数であるのに、1DD愛好家が43%という結果が出たことはもっと業界関係者の耳に届いても良いと私は思いますね。それはマーケターがリードしていこうとする方向と顧客の志向が実はズレ始めていることを暗に示しているのかもしれません。

私はこの投票結果について「意外ではあるが、どこか安心した」というのが素直な感想です。

 

確かに1DDはBA多ドラやハイブリッド構成と比べて、音のチューニングの自由度が狭いかもしれません。ネットワークで帯域分割して10個やら20個のドライバが一斉に鳴っていれば、それはレンジが広く密度の濃い豪華絢爛な音が出ることでしょう。ですがその上で「きちんと各ユニットを揃わせる」のは非常に難しいのです。

普段から1DDのfinal A8000を基準に捉えていると、多ドラは空間の奥の方がもやもやしていてスッキリ見えてこない感覚がどうしてもあります。濁りの程度には格差がありますが、1DDと遜色ない領域まで抑えられているものは数えるほどしかなく、許容範囲だが全く購入対象にならないレベルが過半数、位相がズレすぎて鳴り方そのものがおかしく1曲3分聴けないというイヤホンも3割くらいありました。そしてこれは「価格に相関性がない」というのが最大の問題であると私は思います。10万円のミドルクラスで良く出来た製品があるのに、50万円のハイエンドイヤホンが酷い音で鳴っている・・・ところが、稀に30万円で音もそれなりに妥当性のある製品が存在するというように。

イヤホンそのものに物理的な制約限界があるので、ヘッドホンの市場ほどに安定して成熟した製品が開発しにくいという事情は理解できます。それを考慮した上でも・・・「もう少し何とかならないのかな?」