リケーブル大相談会

11/27(日)eイヤホン秋葉原店の6Fイベントスペースにて、「リケーブル大相談会」が開催されていました。

出店ブースの全てを聴いたわけではないですが、印象的なケーブルをピックアップします。

ORB

8芯構成のリケーブル3本を試聴しました。

Celestial Force C8

銀線ですが価格帯としては3万円台のミドルクラス。個人的には上位モデルより滑らかで繊細に感じました。低音が細くて輪郭もクッキリ見えるタイプではないので、音源を選ぶ印象はありますが音楽性は高いです。

Clear Force Ultimate Core-8

PC Triple Cの8芯で、Celestialより導体量が多い上位モデル。重心が下がって厚みが出て、オーディオ的な性能は確かに良くなってます。個人的には音楽性はCelestialの方が表現出来てるように感じました。ORBらしい味わいが薄くて、普通の高性能ケーブルという印象。

Glorius Force Core-8

ORB自社開発の4NOFC銀メッキ線の8芯構成です。音楽性と基礎性能のバランスが取れていて、広く勧めるならこのケーブルを推します。スポットが狭いですが特定の楽曲で音楽性を求めるならCelestialです。

WAGNUS.

中古購入のLemonade Moonの音はかなり好みでした。

yuki3.hatenablog.jp

HIDDEN SHEEP

WAGNUS.はラインナップが多くて、立ち位置や目指す方向性がまだ把握できていないモデルが多いのですが、多分どれを聴いても私の好みから大きく外すことはないんじゃないかなと思いました。このHIDDEN SHEEPも音楽の流れが自然で違和感がないです。

一言で表現すれば「センスが良い」音なんです。ほんのり北欧系の爽やかでクリーミーな質感と、日本人的なロスのない伝送特性を目指した音、その中間を上手いところで落とし込んでいる、そんな印象があります。

Zillion Sheep NU-2

イヤホンケーブルとしては硬く重量があり、装着には慣れが必要でしょう。特にMMCXの場合はその構造上、プラグを接続してもクルクル回転してしまいます。耳に入れてからも引っ張り応力と角度によって、イヤホンが抜けるというより「飛び出す」という表現が適切な程に暴れて落ち着きません。ケーブルスライダーを首元まで閉めることで何とかその場は試聴する段取りが整いましたが、現実的な日常使いを考えるとなかなか難しいと思います。

音質は私の好みなバランスに最も近く、中域の濃さとクリーミーな質感を基調として上から下までレンジが広く、十分な解像度を確保しつつ輪郭を「立て過ぎない」音です。この、「輪郭を立て過ぎない」という点が重要なんですよ。

4芯構造でありながら導体量が非常に多いので、取り回しの問題を考えるとこのままヘッドホンケーブルとして依頼するのも良さそうです。現実的に私の優先順位としては後回しになりますけど、final D8000のプラグでHPA側は4pinXLRでオーダーする価値は十分にあると感じました。

ポータブルオーディオのリケーブル全般について

DAPとイヤホンのシンプルな構成が主流のポータブルオーディオにおいて、ケーブルを変更した際の変化量は結構大きいと感じました。DAPとイヤホンに情報量を捌ける基礎性能があれば、かなり素直に反応するので次から次へと交換していくのはとても楽しかったですね。

現在、私の据置ヘッドホンオーディオの構成は複雑化してしまったので、1本のケーブルを変更しても相対的な変化量は少ないです。電源を別筐体にしているとそこで振動パターンがリセットされて、電源ケーブルの影響も小さくなります。

イヤホンリケーブルで問題があるとすれば、硬く重量のあるケーブルに対するプラグの耐久性ですね。元々、頻繁に抜き差しすることを想定されていない設計で、ハイエンドケーブルでは通常考慮されないレベルの負荷がプラグ周辺に掛かってしまうことが考えられます。ケーブル側よりもイヤホン側の端子が緩んでしまう方がより深刻なので、少々不安を感じる場面がありました。