ポータブルオーディオの構成が固定化できました

Cayin N8 (Nutube)→Meze ADVAR

Cayin N8の中古を13万で購入しました。iiが出た今は中古相場が下がっていて狙い目ですね。これのシングルエンドNutubeはADVARとの相性がとても良いです。ポータブルオーディオで自分のスイートスポットに寄せて楽曲の音楽性を引き出せる組み合わせを相当数試聴しましたが、現状で最も私の理想に近い答えが上記の構成となります。ADVARより高額なイヤホンなんて大量にありますけど、ほとんど総当たりで試聴してこれ以上に私の感覚にピタリと一致したものはなかったです。

ただしこれは私が毎日聴く推しの楽曲に特化させていて、それ以外の幅広いジャンルへの適応性が全くないです。なのでfinal A8000は稼働率こそADVARより低いですが手元に残しており、こちらはN8のトランジスタモードで駆動します。N8自体の音作りは真空管を通さない場合でも適度に緩さがあり暖かみを付加する(Nutube程ではない)ので、A8000のある種のシビアさを緩和してくれます。以前のSHANLING M8だと高域のピンポイントでかなり鋭く刺さる帯域があって難儀してましたので・・・

ORB Celestial Force C4リケーブルについては音の品位・質感や繊細さがADVAR付属より向上しますが、黄色い背景がニュートラル側に若干差し戻される感じです。この「品位」か「温度感」のどちらを選ぶかというのは結構迷ったのですが、普段聴く楽曲のイメージから、粗さが出るより透明感や音の品位を優先することにしました。

シングルエンド回帰

Cayin N8のNutubeはシングルでしか使えないので、これまでSHANLING M8では4.4mmバランスで運用してましたがCayin N8に乗り換えた段階で全てのイヤホンを3.5mmシングルに戻しました(イヤホン2本しか持ってませんが)。これは実はバランス駆動の音の鳴り方自体に本当はずっと違和感を覚えつつも、性能的にこちらの方が優れてるんだからこの方が良いのだろうという思い込みがありました。N8の購入前試聴時に、久々にシングルエンドに切り替えてみたところ、今まで抱えていたネガが一挙に解消されていたので私はこちらに回帰することに決めました。

この「違和感」を端的に表現するならば

・音像が近い

・中央の圧が弱い(中抜け感)

・音楽としてのまとまりが感じられず、細部の描写ばかり気を取られる

BTL駆動の利点は、より大きなパワーと左右セパレーション(クロストーク)の向上が主にありますが、私はそれが全て正義であるとは到底思えません。結局シングルエンドかバランスかというのは本質的な問題ではないのでしょう。近年では「どうせ皆バランスしか使わないのだから」とシングルエンド側の構成がおざなりになっている雰囲気さえ感じられます。実際にはBTLではコストが倍になっているのだから、中途半端な価格帯で無理にそれを採用すれば、必然と各部品のランクを下げることになります。それならば、回路構成自体をじっくり練って良質なパーツを採用し、素直にシングルエンドで組めば良いのではないでしょうか。

音の「品位」の源泉ってそのあたりにあると私は思うのですよ。