先月10日ぐらいに注文しているfinalの4.4mm5極シルバーコートケーブルについて、そろそろ一カ月が経過します。今月末くらいには届くみたいですが、早くSHANLING M8をバランス駆動で聴きたい欲求が勝ってしまい、週末は他社リケーブルの中古の棚を漁る日が続いていました。
この記事にあるように、ついついハイエンドな価格のリケーブルにばかり目が行ってしまい、先に注文してあるシルバーコートケーブルと同価格帯(2万円台)についてはスルーしておりました。
ところが実際に「A8000本体よりも高額な」リケーブルを試聴してみると、その性能の高さには感心するのですが何か違和感が残ります。
A8000を他社リケーブルしてる人はやはり少ないらしい。eイヤでも、その後行ったfinalストアでも言われた。
— yuki (@flusso_bianco) 2022年10月9日
巷のリケーブルの方向とA8000のキャラが、高額なリケーブルになるほど離れていくんよな。それならシンプルな4芯の方が良い。
多ドラBAでヘッドホンのような空間の広さとレンジの広さ、音の厚みを元々持っているような機種は、ハイエンドなリケーブルでさらにブーストして、DAPはDACの担当を専念させて単体アンプを足すのも良いのだろう。でもそういう方向は私は据置ヘッドホンシステムの方で取り組んでいる。
— yuki (@flusso_bianco) 2022年10月9日
導体を太くし芯線数を増やして、厳重なシールドを施して・・・というように手の込んだケーブルは見た目がいかにも立派になります。音質傾向として、空間の広さを拡張して低音の厚みを出すという方向です。高域の主張は大人しくなり、そこに聴き心地の良い色付けが加わります。
このサウンドの変化の方向性は、実はA8000の本来持っているキャラクターであり長所を打ち消す効果として働いているように感じました。定位のクッキリした音像がふわっと拡散することで、ダイレクト感が減退しています。センシティブかつ透明感ある高域が、キツくならないようにスローロールオフにデジタルフィルターを切り替えたような感覚。確かに音源によって粗を辛く出す傾向はありますが、私はこれをリケーブルによって隠す化粧は施したくないと考えます。
こうした経験から、むやみに高額なリケーブルばかり検討していないで気軽に2~3万円クラスも見ておこうと目を移すと、なかなか面白そうなものがありました。
WAGNUS. LEMONADE MOON
細めの導体で4芯のシンプルな構造です。A8000のタイトな低域を太らせることもなく、なおかつきちんと深いところまで出せています。高域のシャープな音像はA8000の長所をそのまま活かして、なおかつ明るく爽やかな音調です。
これならシルバーコートケーブルが届いた後も、ちょっとした音のアクセントの違いで併用できる見通しが持てたので購入しました。つまり、基準となるのはやはり本家の組み合わせなのですが、遊び心としてリケーブルを1本持っていても良いだろうということですね。
ポータブルオーディオの構成は(シルバーコートケーブルが届いたら)これで一段落が付きました。次はまた据置の方に目を移しますが、現環境もそれなりに気に入っているので、この先数年はもう何も大きな変化はないかもしれません。