オーディオみじんこ NOCTURNE-D8000-TRS

前回のヘッドホン祭で試聴して、非常に気に入ったNOCTURNE。

翌週には秋葉原SEEKBASE内のオーディオみじんこ店舗を訪れて、見切り発車的にこちらの仕様を伝えて制作を開始して頂きました。当時の状況ではUTOPIA SGとHD800Sのデモ機が備えてありましたが、D8000はfinal側と交渉してプラグを供給してもらえるか?というところからのスタートでした。またアンプ側も当初はXLR4と4.4-5極を想定しており、私の希望するTRS6.35mmジャックは受注生産の形に。NOCTURNEプレオーダー第1号でありながら相当特殊な仕様を要求したので、制作完了のメールが届いて受取に出向いたのは7月の頭になっていました。丸々2カ月くらいですね。

 

audiomijinko.thebase.in

動作確認を兼ねてD8000を持参し、接続している状態の写真を撮影して頂きました。しばらくしてHPの方でも、正式にNOCTURNEケーブルが販売開始。現時点ではUTOPIA SGの写真が掲載されていますが、今後D8000仕様を求める方がいれば私のヘッドホンで撮影された画像が使われるかも?

 

アンプ側ジャックからLRの分岐点までは、制振コアに導体8芯を格子状に巻き付けてあります。ここまでは機械編みで、分岐後の4芯ずつは手編みだそうです。コアがある分、一般的なヘッドホンケーブルよりは若干重量がありますが、取り回しは優れており被覆のテンションが硬いということもないです。finalのシルバーコートの方がよっぽど重いし硬い。

目を引くのはTRSジャックの古美仕上げの美しさ。またプラグブーツやスライダーのイタリアンレザーもGOOD。

 

音は今までのヘッドホンケーブルにはあまりないタイプで、特定のジャンルへの音楽性を追求するためのチューニングとなっています。基礎性能の高さと色付けの無さを求める人にはあまり向かないと思われます。比較対象をfinalのシルバーコートケーブルに設定すると、全体的な基礎性能はfinal側の方に分があり、特に低域のドッシリした量感や沈み込みはシルバーコートの方が優れています。その代わりNOCTURNEは中高域の繊細さ、軽やかさを引き出すタイプ。

finalは標準ブラックケーブル→シルバーコートへの変更で明るくやや煌めく傾向にシフトしますが、NOCTURNEも基調的には明るい部類に入るものの「仄かに陰りのある音」です。撮影した写真も、その雰囲気が出るようにデフォルメしたピクチャーコントロールの設定を選んでいるので視覚的にイメージが伝わればいいなと。

 

ケーブルの音を把握したい場合は、mmcxプラグのイヤホンがあればDAPの4.4mmに挿して試聴するのが一番分かりやすいと思います。実はヘッドホンよりイヤホンの方がリケーブルの違いがより大きく反映されます。

UTOPIA SGに音楽的なエッセンスを付加させるのも良いとは思いますが、ADVAR×NOCTURNEを試聴した際に私がふと考えたのは、この傾向であればSUSVARAが一番これに合うのでは?という予感です。誰かチャレンジしてみてぜひ感想を・・・

 

夏場はA級アンプのPASSが天板熱々になってしまうので昼間は適度に電源を切り、ヘッドホンも乾燥剤を入れたケースに仕舞っています。ケーブルをまとめるストラップは最初必要なのかなと思いましたが、実際あると案外便利なものです。