調和と分離

突然に抽象的なタイトルを持ってきました。

 

yuki3.hatenablog.jp

この記事の最後で、

2Fの寝室にCayin N8をラインアウトで接続するコンパクトシステムを増設したので、E3はここで引き続き頑張ってもらいます。

ということで、以前のメインHPAを冬眠させずに現在も活用できているわけですが、このコンパクトシステムの存在は「1Fで聴けない時間帯の代用」以外に、もうひとつ重要な意味を持たせています。今日はそれについて記述する回となります。

 

「調和と分離」の『調和』

これは1Fシステムを構成する上での前提となっている要件で、

ルーター→PC→LANハブ→Roon Bridge→DAC→HPA→ヘッドホンという一連の構成において、最終的な出音が自分のイメージする音楽としての調和が想定範囲内に保たれている、ということ。

これは、気まぐれに買ってみたケーブルやアクセサリー類を、しばらく聴いてみて長期に渡って採用するか決める際にも適用されます。

例えば、4月の頭に中古購入した電源ケーブルのChikuma Pillar AC IIですが、これは残念ながら1Fシステムでは採用とはなりませんでした。基礎性能は高いけれど、私のイメージする音のバランスがどうしても崩れてしまうのです。

 

Chikuma Pillar AC IIは2Fシステムにて採用

このシステムでは極力色付けを排除したシンプルな構成なので、Chikumaの素の音というのが非常に良く把握できます。ORBでは奥の方にもやっとした「見えにくさ」が常にまとっていますが、Chikumaではこうした付帯音がないのでスッキリと晴れています。またChikumaの低域はタイトながら実は深いところまでしっかり伸びているのが分かります。ORBは低域の中でももう少し上の帯域に厚みがあるので量感があるように聴こえますが、ローエンドの部分はあまり出ていません。

 

1Fシステムでは、最終的なヘッドホンからの出音が「音楽的に自分のイメージに沿っているか」を判断基準としていますが、信号経路が複雑なので「各要素」の個別評価はそこまで踏み込まないことにしています。よって、そうした側面は2Fシステムで補おうという発想に至りました。

Chikumaの電源ケーブルのように、1Fシステムで上手く作用しなかったものを救済できるパターンもありますが、普段から1Fで使用しているケーブルを2Fシステムで「単体」として聴いた時にどう振る舞うのかを確認することが本来の想定用途です。

 

オーディオみじんこ SILVER HARMONIZER ADV.

audiomijinko.thebase.in

オーディオみじんこの実店舗に行ってきました。ヘッドホン祭で先行展示されていたNOCTURNEケーブルの印象が良かったのですが、共同出展されていたAIMSさん側の方としかお話できなかったので、みじんこの荒川さんってどんな人なんだろう・・・というわけで(?)

mijinko.jp

本来の目的はNOCTURNEの再試聴と仕様相談で、ついでにSILVER HARMONIZER ADV.を買ってみた次第。店主のお話ではアンプのアナログinよりもプレイヤー等上流のデジタル入出力に挿す方が効果的とのこと。

2Fシステムでは下流のアンプ側RCA inの片側に接続することになります。これでも結構音の変化としては分かりやすい部類でした。

 

サブではない複数システムを維持する意義

ひとつはタイトルの「調和と分離」の『分離』側にフォーカスする目的として。

特定のケーブル、またはアクセサリー類が単体でどれだけ音に影響しているかを把握しやすくするため。

普通、サブシステムというのはメインで使っているそれよりグレードや規模を縮小して、ある意味気軽に楽しむ用途として組まれるものと思います。しかし私のサブシステムはメインのヘッドホンを部屋から部屋に移動させて聴くものであるし、HPAの能力的に言えば「サブ」の方が細かい差異を拾い上げる能力は高かったりします。

 

1Fシステムは、「ケーブルの配置」を変更しただけで急に音場の奥行が出なくなったりしてしまうことがあります。PASSアンプにはShunyataを接続しないとダメなんです。これがG RIDEを入れると途端に平面的になってしまう。とにかくトータルで自分の感覚にピタッと合う音に寄せていくのが精一杯で、正直「どの部分がどの程度、音を支配しているのか」自分でも分からなくなっている。(繋ぐ箇所によって振る舞いが全く違うのが問題を余計にややこしくしている)

そうした状況をひとつひとつ整理していくための「コンパクトかつ高性能」な構成を、言葉の便宜上「サブシステム」と呼んでいるだけなのです。