RE・LEAF E1 試聴記

RE・LEAF E1

現在のdC化される前のフジヤ中古個体です。普段E3 dCを使っているので上位E1の実力について確認しておきたかったのと、dCから見て出力が半分の旧モデルは据置側で聴くクラシック音源で音量が足りるのか懸念があったので、それをハッキリさせておきたいと思い試聴してみました。

Bartok DACからのアナログinだと、Bartok側の出力が高くてどのボリューム位置が一般的な2Vなのかも分からないので、純粋にRE・LEAFで統一された音を聴いてみたかったこともあり、ZEN Streamから直接USBでE1に接続するセッティングをお願いしてみました。

しかしストリーマー側がエラーを吐いて音出しできなかったので、自前のDAPをトラポにして試聴しました。このDAPには据置側で聴くクラシック音源は入れてないのですが、普段聴いているE3 dCと特定の楽曲のボリューム位置を記憶していますから、そこからの差分で判断しようというわけです。3pin×2のXLRがないのでシングルエンド接続の試聴ですが、電流駆動ではアンバランス・バランスの音量差がない仕様なので問題はないでしょう。

結論から言えば下記リンクの楽曲でボリュームを8割くらい回してしまっていたので、これ以上にボリュームを上げて聴いているクラシック音源はdC化以前のモデルでは音量が足りないだろうと判断しました。やはり購入するなら私はdCを新品で注文するしかないようです。


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普段E3 dCをゲイン+6 , DACはQUTESTの2Vモードで、ボリューム位置は回転角300度のうち180度あたりです。クラシックを聴く場合はもう少し回して220~250度くらいまで使います。これで全回転角の8割くらいですね。よってE1がクラシック以外の音源で8割に届いてしまっている時点でもう間に合わないわけです。

多分、私がそれなりに大音量で聴取するタイプなので、これより小さくて済む人もいるでしょう。それでもE1が出力20mAというのは流石に小さいのではないかなと思ったりします。ちなみに E3 dCは70mAです。

Impression

柔らかでありながら立ち上がりが早いE3 dCの方向性を、更に極限まで突き詰めた音がE1です。また、音量の取りやすさと駆動力の概念は一致しないということが良く分かります。E1は能率の低いヘッドホンでは音量が不足しますが、適切な音量が得られている場合、その駆動力はE3 dCより高いです。明らかにE1の方が音が濃いのです。

そして決定的な差が、音の周囲に漂う微細な空気感の有無です。E3 dCもこの片鱗が僅かにあるんですかE1ほど強くはないです。このハイエンド特有の空気感って一度知ると癖になりますよね(伝わってほしい

DAC一体型のデスクサイドに設置できる省スペースで、最高の音を目指すならこれしかないと思います。アナログinも備えているし、内臓DAC側が多少弱いという発想も出てこないわけではないです。しかしE1のシンプルなこの佇まいは、この周りに他に何も置きたくないという感情を想起させるのです。

私もE3 dCの設置場所はオーディオラック側には設置せず、その左にあるデスクサイドに置いています。

体をラック側に向けて手を伸ばす必要がなく、手元で操作しやすいからという理由もありますが、RE・LEAFのシンプルな外観ってオーディオラック側の色々なモノが置いてある空間と一緒にしたくないんですよね。

E1ならラック側の空間が丸ごと撤去できて、究極のシンプル構成に出来るわけです。結局、DACとHPAを単体で用意した時に、本気で突き詰めると結局E1に近い価格になってしまう予感が・・・

電流駆動の特殊性

FOCAL UTOPIAはfinal D8000よりも音量が取りやすいので、一番手候補かと思っていたら意外な情報でした。電流駆動は接続するヘッドホンによって挙動が非常に予測しにくい面があります。D8000は一般的な電圧駆動では低音が膨らみやすいのですが、E1やE3 dCでは程よくフラットに近づく印象です。逆にUTOPIAは高音が勝ち気味で刺さらない程度に音量を下げると低域が痩せるバランスが(SGでこの問題は解消されました)電流駆動ではブーミーな低音に?むしろ私は高域側のピークが強調されるのではと想像していたので、接続するヘッドホンによって全く挙動が読めないというのはそういう意味です。