Final STORE LIVE!(2)

前回の続きでFinal STORE LIVEのD8000後半回を貼ります。


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やっぱりアルミ削り出しって大半が大量の油と削りカスのゴミになってしまうのですね・・・インナー・アウター側のハウジング成型後は元の円柱型に切り出した1/10以下の重量に。元の円柱型が825gって予想以上に重くて驚きました。設計制度と強度を出すには、こうする以外にないのですね。最薄2mmの箇所なんて特に厳しいかと。私はシルバーコートケーブルのプラグもちゃんと削り出しでやってるのが抜かりないなと思います。特に4pinXLRはパーツの質量もずっしりとあるし、とにかく綺麗ですよ。振動制御って意味では実はケーブルよりプラグの方が大事だったりします。ここが樹脂とアルミ削り出しでは音質も結構差が出るポイントです。

 

取り上げたい箇所は削り出し以外にも色々あるんですけど、この記事ではFInalというメーカーを総合的に見た私の評価というか感想を書きたいと思います。イヤホン・ヘッドホン業界に参入する以前のスピーカーオーディオ方面におけるFinalについては私はよく知らないのですが「final audio design」時代は正直言って「イロモノ系」だと思ってました。一風変わったモノを作りますが音質は・・・あまり評価していなかった記憶があります。「Final」に戻してから、ハイエンドのD8000や普及価格帯のイヤホンまで様々なヒット商品を連発していくことになるわけですが、現時点から振り返ってFADの頃を思い返してみるに、この会社は社風として昔からずっとエンジニア主導で変わらず通していて、開発側の「好奇心」を具現化したものが製品として登場してきていたんだなと。それがFAD時代は最終的な音質として何か上手く嚙み合っていなかったのかもしれないけど、確実に今のFInalとして活きているのは間違いないと思うのです。

エンジニアの方が「新素材できたよ」ってクマさんに嬉しそうに見せに来て、「何に使うの?」って言われて「まだ分からない」って、その光景だけでも「素晴らしい会社だな」って私は思うのですが。今の日本は事務方と妙なコンサルタントが引っ搔き回して目先の売れるものばかり手を付けて、将来を食い潰してきたような会社ばかりでしょう。そういう所がエンジニアとの密な連携が図れているとは到底思えません。

「大変だけど、でも楽しく作る」ってきっと大事ですよ。その「楽しさ」って必ず完成品として形のどこかに落とし込まれて浸透するもので、手に取って気付く人には伝わるものなので。特にオーディオに興味持つ人なんて感受性のアンテナ強いから、なおさら。