微細領域における個人的音質比較基準

前回記事で無線LANを撤去した話を書きましたが、動機と経緯の部分のみを記事化して、聴感上の比較については後回しにしました。

yuki3.hatenablog.jp

結果としてはやはり撤去した方がずっと良かったわけですが、ではこのような「無線LANの有無」で音の良し悪しを比較する際に、何を指標として判断しているのか?を語るのが本投稿となります。

店頭試聴で意識していること

本題の前にこちらから先に書きます。事前情報で気になる機種、ここでは音質の支配度が強いヘッドホン・HPA・DACの3点に絞りますが、これらを試聴する場合に私が意識していることは大まかに以下の3点です。

  • 背景色
    音場を照らす光の色が白く眩しいか、または黒く見えるか。何も見えてこないパターンもある。
  • 温度感
    暖かく色温度が低い(黄色っぽい)か、冷たく色温度が高い(青っぽい)か。
  • 質感
    サラッとしているか、ザラつきを感じるとか。ヌメっとした質感というものもある。

もし今後自分のシステムを一新することを考えた場合、この3点から自分が長く使えそうな「生理的に違和感がない」ものをピックアップしていきます。

①背景色:

白く眩しいものは鮮烈で印象に残りやすいですが、歪みが多い場合があるので注意します。ただし好みなのは適度に明るめな背景です。

②温度感:

暖かく色温度が低い(黄色っぽい)方を好みますが、最近はこれ一辺倒だと表現の幅が偏るような気がしています。

➂質感:

引っ掛かりのないツルツル系や、ヌメっとした質感はSNが高いこともありますが表面のテクスチャが潰れて細かい機微が見えてきません。過度にザラザラしていてはダメですが、「手触り」の質感が見えてくる、その丁度いいバランスが自分にとって重要です。

「解像度」は上記3点をクリアしてから判断します

私の場合、解像度がいくら高くても質感が生理的に受け付けないものは長く聴けません。これは個人的な感想ですが、最後にシステムへの追従性や伸びしろを見て、「音色は良いけど惜しいな・・・」と思った機材には良い印象を持ったまま帰りますが、「性能しか取り柄がない」ものはその後すぐに忘れてしまいます(

微細領域の判断基準

ようやく本題ですが、冒頭の「無線LANの有無」のような条件では

「奥行方向の情報」が消えるか、きちんと拾えるかで判断しています。

音場の奥の方へ意識を向けた時に、もやっとするのか、より深いところまで描けているか。

 

最近DACの出力電圧とHPAのGainの組み合わせを変更しました。これまではQUTESTを2V、E3 dCを+6dbでしたが、元旦からQUTESTを3V、E3 dCを0dbに変更。Gainを足した方が厚みが出て横方向に広がりマイルドで聴きやすいのに対して、今聴いている音はレンジが広く奥行方向の細かい情報がきちんと拾えていることに気付きました。

より微細な領域で音を追い込むことを今後考えた時に、明らかにこっち(3V→0db)を基準にするべきだと判断しました。これまでGainを足してたことにも一応意味はあったのですが、これは志向が変化してきたというよりは、自分も耳が成長し認知能力が向上しているのではないかと。聴力そのものは20代をピークに衰えていくはずですが、こうしたことを考えると今後10年スパンで見ても明るい材料を掴めた感触があります。