Meze Audio Elite 試聴メモ

少しコロナが落ち着いてきた気配を見計らって、約2年ぶりに都内にお出かけ。

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eイヤでMezeのEliteを聴いてきました。

環境はBenchmark DAC3→Re・Leaf E3 Hybrid dC。音源は試聴用PCから。

ちなみに休眠中だったオーディオを再開しました。E3 Hybrid dCを購入しCDプレイヤーの選定は先延ばしして暫定PCオーディオを続投です。ただしネットワーク関係のアクセサリは少し簡略化しています。

ということでeイヤにもE3の試聴機があったので、なるべく条件を揃えるために奥の棚から出してセッティングしてもらいました。

 

まずはレザーパッドからです。写真で装着されてるのは布パッドで、横に置いてある方がレザーとなります。

Empyrean比で低域の不足感は実用上不満ないレベルには改善されています。定位が曖昧で「ミストシャワー」のような独特の空間表現も、Eliteでは「良い意味で普通の」ヘッドホンに近づいた印象です。ハイエンドヘッドホンにおけるMeze Empyreanというのは結構特殊な存在で、個性的ではありますが他では得難い魅力も備えていて、ハマる人はものすごくハマるだろうなと思っていました。特に中高域の音楽性の高さについてはこれ以上のヘッドホンはないだろうと個人的には評価しています。ハイエンドの枠組みでは低域側のレンジ・量感ともに物足りず腰高なのですが・・・

Eliteでは上記個性がある程度抑えられていますが、魅力的だった中高域の温度感の高さ、色彩感や音楽性については幾分差し引かれた印象がありました。このあたりの問題はオーディオでは常につきまとう「あちらを立てればこちらが立たず」の典型例とも言えるでしょう。

ちなみに布パッドでは少し「Empyreanの音場表現」に近づきますが、温度感や音色そのものにあまり変化は感じませんでした。

 

各社ハイエンドヘッドホンとの使い分けや比較としては、Focal Utopiaほど音源の問題を厳しく露呈することもないですし、中域の丁寧な表現や質感を重視する方に向いていると思います。Final D8000の低音が過剰であるが、D8000Proでも速度感が速すぎるとかマッシブであると感じる場合、それよりは穏やかなMeze Eliteが合っているかも。

そしてやはり一番のアドバンテージは、「装着感が格別に良い」ことですか。重量は430gとそこまで軽くないですが実際に装着してみると非常に軽く感じます。ヘッドパッドの圧力分散の仕方がすごく巧みに考えられていて、それがヘッドホン全体のデザインと実に調和しています。