知る人ぞ知る謎多き長野県のオーディオメーカー AiTECのインシュレーターを購入しました。
Λ8.24Proはナイロン系のツルツルした素材で非常に軽く、そのまま設置すると滑りやすいのですが、Upgrade Kitを組み合わせることで、機器とラック側の両方から固定できます。
アップグレードリングはインシュレータの一段下がった外側にぴったり収まるように設計されていて、裏側もリングの径は異なりますが構造としては同じ。リングの剥離紙を捲り機器とラックにそれぞれ貼り付けますが、インシュレータはリングの間に入るだけ。両面テープが直にインシュレータとは触れ合わないように考えた結果、このような製品を企画されたのだと思います。設置面がテープであれフェルトであれ、まともに面で間に入ってしまうと音にも影響があることは経験的に理解できます。
Λ8.24Proの発売から2年後にUpgrade Kitが登場したということは、インシュレータを開発していた段階から、この独特な固定方法について構想を済ませていたということでしょう。
さて音質ですが、セッティング前に手に取って触れた印象では、樹脂系の素材で安っぽく見えて、大きさの割に軽い、なのに値段は4万円で釣り合っている感じがしない。でも(オーディオ業界の水準で言えば)かなりの数が売れてるらしく、Kanataさんの推薦品でもある・・・
オススメですhttps://t.co/qUKoxS5Wn2
— kanata (@Thinking_Audio) 2021年1月28日
ところが音は期待以上に良いです。こんなにクリアにスッキリ晴れて見通しが良く、細かい情報量が一気に増えるインシュレータは今まで経験のないレベル。AiTECは振動対策よりも「静電対策」が重要と主張していて、既存のインシュレータとはベクトルの違う方向の音質的要素が引き上げられています。感覚的には、OSのカーネルミキサーを回避してASIOで再生したときの変化の方向と言えます。foobar2000のDirectSoundと、TuneBrowserのASIOドライバーでは、オーディオ機器側が同じ構成でも音は全く違います。PCオーディオ特にwindowsではソフトウェア(アプリという呼称は未だに馴染みが悪い)の音質差に相当な開きがあり、これは機器側の追及だけではなかなかカバーできないのです。AiTEC Λ8.24Pro+Upgrade Kitは、私が現状ソフトウェアで一番高音質だと評価しているTuneBrowserのASIO再生の出音から、さらにもう2段階ほどクリアに、微細な情報量を引き出してくれるインシュレータで、設置個所はデジタル系の特にトランスポート側を推奨します。(PCやCDトランスポート)
また電源タップがケーブルに引っ張られて浮いたり転倒しやすいという環境であれば、Upgrade Kitで床もしくはアンダーボードとタップを固定してしまう方法もあるでしょう。