現在は後継KS-1026が出ています。これは旧型KS-1020で当時定価15万円→中古6万円でした。
銀線と銅線のハイブリッド構造で、よくある銀コーティング銅とは異なります。
個人的には銀コート系はあまり好みではないです。特に低価格帯の銀コートは最悪で、歪みっぽくギラギラして見通しが悪く、品の無い音になりがち。
- Impression-
「SELECT」ではないKIMBER KABLE HEROを試してみた方で、解像度や低音の量感に不満がある感想が散見されました。特に近年の国産ケーブルに慣れている方はそう感じるのも無理はないでしょう。
SELECTシリーズにおいても、そういった基本性能において、個人的には当時の定価15万円の設定でも強気だなと感じます。正直物足りなさを感じる部分もあり、特に低域は元々のシステム構成である程度確保しておかないと厳しいです。
KIMBER SELECTの持ち味は音楽性と温度感で、コントラストや陰影も過剰に立たせることなく、ゆったりとしています。あえて低域の量感を欲張らないことで、輪郭を強調しなくても中域の繊細な描写に意識が向くようにコントロールされています。背景が青くなりがちな現代ケーブルとは逆で、程よく黄色味があって心地良い。
今はこういうケーブルは少なくなってきているので逆に貴重かもしれません。重く沈む低域、鮮烈でシャープな高域は初見で映えるので一部で歓迎されますが、結局大事なのは中域の質感と音色の良さでしょう。そういったことを発売から20年近く経ったこのケーブルは再確認させてくれます。
後継のKS-1026でも基本的な傾向は変化していないだろうと思います。