CHORD GroundARAY BNC
購入2週間で馴染んできたのでReview
方向性としてはHigh Fidelity Cables MC-0.5 Helix+と似ています。
人間の体に例えると、わかりやすく筋トレで二の腕を太くした感じがケーブルによる変化だとすれば、MC-0.5 Helix+やCHORD GroundARAYはストレッチや体幹トレーニングによってしなやかな体を作る、みたいなイメージです。
不思議と、CHORDのケーブルと共通のトーンがGroundARAYにも存在します。アコリバがケーブル以外にも多種多様なアクセサリーを展開していますが、どれも共通して同じトーンが乗っている、というようなことがCHORDの製品群にも言えるということです。これは非常に不思議なことに思えますが、何かノウハウを持っているというよりは、作り手の「その人の音」が意図せず自然と乗ってくるものではないかと、そんな風に思うことがあります。CHORDの場合、下位ランクのケーブルは製造それ自体は外注しているかもしれませんが、(Cシリーズに関してはおそらくそうです)SARUMシリーズにおいては英国本社のおそらく専任の方、1人もしくは数名で手作り制作されているのではないかと思います。そしてGroundARAYも同じくSARUMの意匠を受け継ぎ、組み立てもSARUMを担当されている方が兼任しているのでは?
そうでなければケーブルと「ショートピンのような見た目をしたアクセサリー」が共通のトーンを持っていることは考えにくいのです。
先にアコリバを例に出しましたがここはもっと摩訶不思議で、単なるヒッコリーのボードでさえ、ちゃんと「アコリバの音」になっているだとか・・・
MC-0.5 Helix+やCHORD GroundARAYはストレッチや体幹トレーニングによってしなやかな体を作る、みたいなイメージ
捕捉を入れます。低域のある一部の帯域を持ち上げて量感UPを演出するケーブルというのは世の中にたくさんありますが、それは真の意味で性能を底上げしているわけではありません。実はある帯域を持ち上げたとき、それより少し下の帯域は逆に減衰していて、全体としては腰高になっているということがあります。
「性能を底上げする」とは、帯域を持ち上げることではなくて、それよりさらに低い帯域の減衰を持ち堪えて踏ん張る、というイメージで私は捉えています。これが実現でき始めると音に「余裕」が生まれてきます。一般的にはアンプ側に対して用いる「駆動力」という表現が、何故か電源やRCAプラグその他の空端子に接続するアクセサリーにそのまま適用できてしまうのです。ちなみに、低域の伸長はMC-0.5 Helix+が、S/Nの清浄化ではGroundARAY・・・かと思いきや、私の環境では何故か逆の結果となりました。特にSARUM Tと組み合わせたときの低域の伸長は非常に大きく、従来のCHORDの印象を大きく変革するものでありました。
おそらくGroundARAYはLUMIN L1用にRJ-45を年内に追加購入するでしょう。
(LUMIN L1はWireworld Platinum Starlight 6 USBで接続しておりLANは空いています)
近年こうした「黒子系」のアクセサリーが流行している気がします。機器の本来の能力を引き出すことに主眼を置いて、自らはさりげなく品の良い「薄化粧」を施すというタイプです。かつては低音の量感を出したり中域の濃さを付加しようとするケーブルが多かったのですが、現代機器においては代わりに減衰してしまった低域や色の付いた乾いた高域が悪い方向に働いて合わなくなり、トレンドからは外れていっているように思います。