予算配分とクオリティと趣味性と

「ケーブルを何本も所有するぐらいなら、その予算を機器側に充てるべきだ」

という論調は、よく見かけます。

当人が音に不満を抱いている様子が見受けられるならともかくとして、そうでないなら放っておいて欲しいとは思うのですが。

 

この趣味、価格が上がるほど使いこなしが難しくなるのですよ。

機器の性能が上がると、そこと繋がっているケーブルの素性の良し悪しが増幅されるので、かえって機器が安い方がまともに聴こえることが往々にしてあります。

それに、性能が高いことと音楽が楽しく聴けるかって実はベクトルが違う問題ですので。

 

そのあたりがわかってる方って、あえて機器のランクは程々に抑えておいて、ケーブルとかインシュレーターとかその他諸々の工夫を凝らして、音の傾向を複数系統用意していたりします。

そういう楽しみ方をしている人に対して、「今まで購入したケーブルの金額を振り返ってみれば、もっと良い機器を買えたはずだ」なんてのたまうのは無粋というものですよ。

SNSにおいて直接的に発言する人は流石に少ないでしょうが。匿名掲示板とか、ではね・・・)

 

私も、RCAケーブルを今までWIrewold Gold Eclipse 6だけで2年間運用してきたわけですが、Jorma Design No.3を購入したことにより、Jormaの良さにも気づいたし、これとの比較があるからこそWireworldの良い点も再認識することができたのです。

Jorma No.3はエージングがある程度進行したのか、声の質感も良くなってきて、バランスが整いました。これなら十分に併用可能です。

 

趣味性とは、こうした「小さな差異」に気づくことであって、このように「選択肢を常に手元に残す」ことで、アンプ・DAC・スピーカーやヘッドホンといったメインの機器とも長く付き合うことができるのです。