Boulder 812 → FOCAL UTOPIA SG (Wagnus. OmniSheep)

Wagnus. Omnisheepの中古個体が出ていたので試聴してきました。4.4mmで1.5mモノだと家の環境には適合しないのですが、まぁ参考として😓
4.4mmがそのまま挿せる据え置きアンプということでBoulderをお願いしました。

Boulder 812は過去にオーディオユニオンの試聴会で聴きました。

yuki3.hatenablog.jp

OmniSheepの影響もしくは店舗の電源環境の違いなのか、前回Boulderを試聴した時よりも大分印象が良かったです。

DAC複合機でヘッドホンアウトに直結する環境を想定すると、現状思いつくハイエンド価格帯には以下の5機があります。

  • CHORD DAVE
  • GOLDMUND THA2
  • dCS Bartok DAC+
  • Molamola Tambaqui
  • Boulder 812

個人的な主観で言えば、この中で私はBoulderが安心して任せられるという結論になりました。

Boulder -- Molamola ---------- CHORD - dCS - GOLDMUND というイメージ。

Molamolaは好みの路線からはズレてますが完成度は高いと思ってます。大きく離されて3位以降が団子ですね。ただしdCSとGOLDMUNDはUTOPIA SGではなくD8000でしか試聴していないので、少しだけ評価は今後変動するかもしれませんが、2位以上にはおそらく上がらないです。

前回のBoulder試聴時はどこか茫洋とした音という印象もあったのですが、今回の試聴でちゃんと本領発揮すれば決して眠い音が出るわけではないということも分かりました。本質的には前回の試聴記でBoulderの長所は記していますので、この先はWagnus.Omnisheepについて触れていこうと思います。

 

Wagnus.についてはュカシ夛さんと2回目のオフ会で6300Fインコネを導入されていたことを少しだけ触れましたが、記事ではその点についてはフォーカスしませんでした。

yuki3.hatenablog.jp

www.wagnus.jp

このケーブル、安価ですがとても良いです。背景は白寄りのクリーム色、中域は僅かに曇る感じはありますが表現や質感が丁寧で、特筆すべきは「空間の端が歪曲しておらず自然なラウンドカーブを描いている」そして微妙な前後の配置がしっかり把握できること。

もう少し説明すると、横に空間が広げられて端が歪んでいるように感じる音というのは結構あります。同時に、こういう音場空間では、中央にある音が平面的に横一列に並んでしまっていて、微妙な前後関係が分からなくなっているというパターンが非常に多いのです。

「ユニットに音が張り付いたまま空間に出てこない」という感覚にも通ずるものがあります。

Wagnus.の6300Fでは、然るべき環境で鳴らしてあげればちゃんと音が空間に出てきます。それがこの価格設定のケーブルでもしっかり出来ているのは稀有な存在です。

 

さて、OmniSheepですが基本的には上記の質感やトーンはそのまま継承されているように感じました。ということはこれがWagnus.の基本路線ということなのでしょう。中域の僅かな曇り感がそのままなのは、少々気がかりではありますが。

このケーブルはBoulderの長所と上手くマッチしていて、マイクロ方面の非常に細かい情報を掘り起こしながら、音楽的な生成り感を上手く引き出しています。注意深く聴き込むと演出的な雰囲気を感じなくもないですが、何となく心地良いという、あの感覚です。

 

冒頭の通り中古個体は長さが足りなかったので、買うなら新品オーダーですね。正直2m以上の個体だったらプラグのリペアを依頼して据え置き環境で使おうと本気で考えたくらいには良かったです。