試聴インプレにも便利なFiiO R9

最近の試聴では普段使いとは別の小容量SDカード(読み込み時間短縮のため)を持参し、FiiO R9のLine Outを利用することも多いです。

前回のCURRENT MP421-M4の記事でもR9側のDACを通してます。少なくともRME ADI-2よりは判断に迷いが出ません。アレは低域が軽すぎるので。

yuki3.hatenablog.jp

ESS的な若干冷たく無機質な感触や、中高域のエッジを立ててくる要素は私の好みと反しますが、基礎性能に関しては不満のない出来です。

R9の利点は、これさえあればPCが不要であり、持参のSDをスキャンすればすぐに普段聴いている楽曲で試聴を開始できます。店側で用意されたPCを利用する場合って、普段使い慣れてないソフトの操作を強いられたり、そのPCに入っている音源が自分の普段聴かない楽曲ばかりで試聴の判断が難しくなるんですよね。

ならばDAPをトラポにすれば良いという意見はあると思います。しかしDAPをUSB-DACに接続しようとすると、意外と相性問題に遭遇するケースが多く、一見接続に成功したように見えてもいざ再生すると音が出ない(データの送信に失敗している)事例が私のCayin N8では頻発しました。

FiiO R9の場合は受け渡しするDACにUSBを接続した状態で起動すると「FiiO MUSICに○○(DAC)への接続を許可しますか?」というダイアログが出て、OKを押すことで認識されます。このワンクッションが重要のようで、これまでの試聴機会でDACへのデータ送信に失敗したことは一度もありません。この安定性は非常に大切だと思います。

 

家でも偶にはR9でPhone Outの音を聴いて、「水準」をもうひとつ自分の中で作っておきましょう。水準というのは、「1台で完結する構成でこの音が出てるなら、何か試聴しに行った時にこれくらいの音は出ていてほしいよね」みたいな感覚を、好みはとりあえず排除して自分の中で設定しておくという意味合いです。

また、DACやアンプの試聴ではなくヘッドホン単体を簡易的に試聴する場合も、色々な機器を通るよりも簡便なシステムの方が(まともな音が出てるなら)判断しやすいです。

 

さてR9のPOの音質ですが「思ったより悪くはないな」という感触です。XLR4では自分の好む音からはズレてますが、UTOPIA SGらしい中低域の深みもちゃんと出ています。これなら十分及第点だし、おそらく多くの人が納得する音が出ているように思います。トラポ・DAC・HPA機能が全て入って26万円でこの音が出るなら優秀でしょう。

ちなみに普段私が聴いている音のエッセンスはR9のPOにNOCTURNE挿してようやく2割って感じでした😓

やはりCHORDとPASSがないと私は生きていけないようです🤣