Formula Sが型番そのままでマイナーチェンジ(?)していた件

2023年11月より、XI Audioは「Eleven Audio」に表記が変更されました。このFormula S展示機のトップパネルにも「Eleven」が追加されていますね。ちょっと久しぶりに聴いてみましょう。

おや?ボリュームノブも違いませんかね?以前のはツルツルした質感でしたが、この個体はローレット加工が施されています。話は逸れますが私はマニュアルフォーカスのカメラレンズを趣味で扱うので、フォーカスリングの手触りとトルク感については拘りがあります。

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その感覚をオーディオ機器のボリューム機構についても引き継いでます。このFomula S展示機は適度なトルク感で手触りも良好で個人的には良い感じです。

 

さて、確証はありませんが、これもしかしたらVolume以外にも内部構成に変更があるかもしれません。音が以前と大分変わりましたね。

以前は中域に厚みがあってマットな質感で空間の天井方向が低い印象でした。駆動力は確かにありますが若干もやっとしたSNの低さが気になる感じです。

現在のFormula Sは、より現代的なサウンド傾向にリファインされた印象です。上方向が比較的しっかり抜けるようになり、中域の厚みは少しスリムに。靄もある程度晴れてクリアになっています。(価格水準からすると、まだそれでも若干弱いか)

私がこの日試聴したFormula Sのチューニングで気になるのは、現代的な方向性に寄せたことで比較的寒色系にシフトし、以前にはなかった質感の粗さだったり声のガラっとした渇きが感じられること。個人的には音楽的な纏め方については「XI Audio」時代の方が好きでした。中域の厚みがあって暖色系で、細かい情報量は出せず大雑把な性格ですが、マットな質感であることが肌理の粗さを目立たせないわけです。

 

私の評価の癖や趣向として「嫌な音を出さない」機材を重用する傾向があります。特に声の渇きだったりガラガラした質感が少しでも見えてしまうと、普通の人より下げてしまう度合いが大きい自覚があります。ヘッドホンで例を挙げるなら私はAUDEZE LCD-5の音がかなり苦手です。相当に辛口で厳しい音に感じてしまいます。

こうした要素があまり気にならないという御方は、私の書いた文面をある程度差し引いて解釈した方が齟齬がないと思われます。