kanata亭訪問記(2)

前回記事は👇

yuki3.hatenablog.jp

COLTRANE 3でLNを・・・

クラシックの部が終わり、次は私が持参したファイルを再生することになりました。DAPにはクラシック以外の様々な楽曲が入ってはいますが、訪問する前から本日再生するアーティストを、ただ一人に絞ると心に決めておりました。

ロリィタノイロォゼ」Rimiyuさん。

HPはそのまま維持されていますが、ライブや新作の発表は4年ほど行われておりません。新品の通販は全て在庫切れ、中古CDについては過去にはそれなりの流通量がありましたが、最近はあまり出てきません。このような状況にありますが何とkanataさん、LNのCDを4枚ほど既に入手されていました。もうこの時点で私、感激しています。。。

フォルダには2.5GBほどありますがこれを全て再生していると時間がとても足りませんので、私独自のセットリストで1時間に凝縮しました。会の後半にはヘッドホンシステムの部がありますので。[*訪問記(3)にて詳細。]

まずはkanataさんリファレンスのMPD-8から

・・・確かに凄いんです。でも、「何かが違うような・・・」

しかしそれを、すぐに口にすることは慎みました。そもそも、「どう違うのか」を明確に表現出来るほどの経験も語彙も、その時の私には持ち得ていませんでした。

私はオフ会では「その人の音と音楽」をまず知ることからスタートするべきと考えます。もしそれが自分の感覚と微妙な差異があっても、いえ、だからこそオーナーの作り上げた音と音楽を理解しようと努め、リスペクトする姿勢が大切なのです。

今振り返ってみれば、MPDは全てにピントが合って冴え渡り、音楽の構築力が非常にしっかりしていました。しかしこれは、ある意味でPlayback Designsによる音楽の再解釈であり、その支配力が強いとも言い換えることが出来ます。アーティストの世界観を表現することよりもMPDの音が勝ってしまう場合があるのです。

一部のハイエンドオーディオにはこのような性格を持つ機器が存在します。だからこそ、自分の重視する領域について知ることで取捨選択していく必要があると改めて感じました。

MSB discrete DACに切り替えてみる

スピーカー再生LNの部では1時間のうち45分程度をMPD-8で聴かせて頂いた後、kanataさんがこのような提案をされました。

DACを切り替えてみましょうか。LNに合っているのはこちらの方かもしれません」

roonのaudio settingでDACをMPDからMSB discrete DACに変更して再開です。

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MSBではMPDのような冴えた感じ・構築力・スケール感は幾分減退するように感じました。しかし、よりLNの世界観を引き出せているのはMSBです。音楽性の浸透力、音色の自在性の幅が広いのです。機器側が黒子に回り、自らは際立った主張をせずに楽曲の内省的な表現を引き出してくれるのです。今回のご訪問では15分という時間でしたが、このMSB DACとスピーカーはCOLTRANE 3で聴かせて頂いた体験は本当に貴重な思い出となっています。

ちょっとした後日談

kanataさんはどうやら私が訪問する前から、MSBの方が合っていて好きなのではないかと予見されていたみたいです。そして実際にその通りなのでした。私も結構色々なことを書き連ねていますので推察する材料はあるのかもしれませんが、このような形で伝わっていたことはある種の感動を覚えましたね。。。

そして、当日のスピーカー再生LNの部が終了して次回記事の「ヘッドホンシステムの部」に移る前に、kanataさんが仰られた一言。

ロリィタノイロォゼの聴き方が、分かってきた気がする」

ネット上でyoutubeの公式リンクを貼るだけでは、楽曲そのものを広めること以上の深い領域までは窺い知ることが難しいなと思っていました。kanataさんは先述したように既にLNのCDを一部入手されており、おそらく何度かは聴かれていると思います。その上でなお、私が同席したことでより一歩進んだ解釈の手がかりが掴めたのだとすれば、私としても非常に嬉しく思います。