NOSマルチビットから超オーバーサンプリングへ

私は3年前に、NOSマルチビットDAC(MHDT PAGODA)

を導入して以来、「ある感覚」に悩まされずに済むようになりました。

しかし昨年末に突然PAGODAが故障したので、またDACを再検討することに。

(修理に出している間、音楽が聴けない環境になってしまうので、新DACをまず購入する決断をしました)

 

当時の私は本当に頭を抱えていて・・・

何しろ先代PAGODAに決めるまで、1年に渡って試聴を重ねとにかく悩んだ過去があります。その結果は、現代のESS・AKM系DAC、デジタルフィルターによるオーバーサンプリング方式は全て自分にとってはダメでした。

そして時期が悪く、年末に故障するというタイミングの悪さ・・・

試聴して回る時間もない、そもそも殿様商売なオーディオ専門店は開いてない。

長文大魔王さんからは「間に合わせで安い中華DACでも買ったら?案外音良いよ?」

と言われましたが、頭の固い私はこれを拒否してあくまでこの状況下で本命を引き当てる?ギャンブルに出ます。

 

ここでNOSマルチビットDACと、現代のESS・AKM系DACの聴感上の違いを比較してみましょう。

高域情報量はデジタルフィルタで補完している方が有利なはずなのですが、サラサラとした質感でどこにも引っかかりがない表現なのに対して、なぜか「音楽的に聴きごたえがある」のはNOSの方であり、しかも音の鮮度はこちらの方が高いのです。

そしてESSに顕著ですが、「色温度」がとても高い。背景が「青い」のです。

ひんやりとしていて、人の声にも生気が宿っていない。

 

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 この写真は撮影した後、Photoscapeで編集して色温度を下げています。

通常、撮影時に設定を弄らなければ、6500k程度と思われます。これを4800kまで下げました。

元の状態は以下です。

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私は写真の世界のおいても編集後の色温度の低い(5000k程度)方を好みますが、これが音の世界においても同じ感覚を持っています。

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9000kまで上げました。かなり青味が強くなっています。

現代のES9038等は、若干誇張した表現ですがこれに近いかな・・・

もう少し下げて8000kぐらいには感じます。

現代DAC色温度を、視覚的にはこのように私は捉えています。

私は上記の「質感」と「色温度」をとても重視しています。

 

さて、今回は試聴に時間を費やすことができません。中古のマルチビットDACをざっと探してみましたが、これといった出物はありませんでした。

過去の記憶を引っ張り出してみて、自分にとって「違和感」のない音を出してくれたDACを、思い出してみます。

・・・・・・

ひとつ、ありました。CHORDです。DAVEの音。

冷たくなくて、色彩の幅が広くてカラフルで、有機的。試聴した当時はQUTESTやHugo TT2が発売されていなかったので、DAVEは手は届かないけどこの音を覚えておこうと思ったものでした。

CHORDは「質感」という点ではサラサラ系に属しますが、「色温度」の点では自分にとって間違いがないだろうと考えたのが購入動機です。

 

次回はもう少しQUTESTの音、そしてCHORDについて掘り下げてみます。