本当の意味での使いこなし

前回の記事は拙宅にて初のオフ会を開催し、会の途中でセッティングの変更を試みると、音が劇的に復活したという内容でした。

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オフ会の全体の進行は前回で書き終えているので、この記事は後編という位置付けではありますが、後日談であり感想記のようなものです。

 

本当の意味での使いこなし

今思えば、オフ会当日のセッティング修正の内容は「電源タップと一緒に棚に設置してある不要な物(カメラ防湿庫とヘッドホンスタンド)を撤去した」という至極単純なものです。

それだけで音が劇的に復活したことには驚きましたが、冷静になって振り返ってみると、オーディオの原理原則を考えれば当たり前のこと。大きな質量を持つカメラ防湿庫が微細な振動パターンに影響を及ぼしてしまい、全体の出音の調和を乱していたのです。

その証拠に、余興としてヘッドホンスタンドだけ棚に戻して音の変化を確かめてみる実験を行うと、確かにスタンドの素材であるスチール=鉄っぽい質感がそのまま音に乗りました。

 

この体験から、オーディオ機器や周辺アクセサリーの使いこなしというのは、ただ高額な電源BOXとかケーブルを買ってきて繋げば良いというものではないことが分かります。むしろ、それらをどのような場所に設置するか、オーディオ以外の周辺の環境を含めて「空間そのものを整理」することが使いこなしの本質であり、それが延いては機器のポテンシャルを引き出すことに繋がるのです。

極論を言えば、お金さえあれば「オーディオ用」として売り出されているあらゆるアイテムを買い揃えることはできます。近年は本当に膨大なジャンルのオーディオアクセサリー製品が市場に溢れていますね。ただしそれを実際に部屋でどのようにセッティングするのか、それは本人の性格や気質が如実に反映されると思うのです。

実際には家庭におけるオーディオ機器の設置、運用は思い描いた理想通りにはならないことが大半でしょう。空間の制約もありますし、生活の利便性を考えた上で致し方なくオーディオ機器の近くに置いておきたい物だってあるでしょう。私の場合はカメラ防湿庫の置き場が他になかったので、あのスペースに電源タップと一緒に入れたままになっていました。とりあえず現在は2Fに移動したのですが、夏場の日中は部屋に熱がこもりやすい環境なので、その時には再度検討しなければなりません。

 

現実的には、生活の利便性とのバランスを考えながら少しでも音質を追求することが家庭におけるオーディオ趣味の楽しみ方でありましょう。私の場合は極端に振れてしまい、不要な物は全て撤去して、聴く時はPCもシャットダウンし、挙句の果てにLED電球が音の色の再現に影響していることを認知してしまったので、夜は豆電球だけにして聴いています。
(オフ会後の初日は完全消灯してみましたが、流石に危ないのでそれ以降は豆電球に)

流石にここまで徹底しろと言う気は毛頭ありませんが、オーディオ機器を設置する「周辺の環境を含めて」奇麗に整理整頓するだけで、音はだいぶ良くなるのではないかなと思うのです。私の環境では電源タップの置き方を例に挙げましたが、オーディオラック背面のケーブルを整理することも効果的なはずです。信号経路に直接関係のないケーブルは外してしまうのもひとつの方法ですし、ケーブルへのストレスが軽くなるように配線のカーブを緩やかにする、交差する線の上下を変えてみる等。

 

機器の役割を分業して多筐体化したシステムや、現代ではネットワークオーディオのシステムは複雑化しやすいので、裏の配線も混沌になりがちです。他人様のシステムに直接あれこれ進言する気はないですけど、なかなかにジャングルな状態になっている様子の写真を稀に見かけます。

私もかつてはRoon CoreとRoon Bridgeを活用したネットワークオーディオ環境を構築していたので、個々の機器は小さくても数が多い故に裏の配線はカオスな状況になりがちでした。しかも、ACアダプタを嫌って1対1でリニア電源を用意していたので、多筐体化に歯止めが利かない状況に陥っていました。

SILENT ANGEL N8  ,  iFi ZEN STREAM

現在ではHDPLEXにリニア電源を集約して、3系統(5V , 12V , 15V)を出力する構成に転換しています。また、ネットワークオーディオから撤退してFiiO R9をトランスポートに据えたこともあり、信号経路が非常にシンプルになりました。

  • 電源ケーブル2本(+1本はActivTron+の短尺ケーブル)
  • DCケーブル2本(+1本はリッピングドライブなので計算からは除外)
  • USBケーブル1本
  • RCAインコネ1ペア
  • ヘッドホンケーブル1本

オーディオシステムに関係するケーブルはこれだけです。

 

本稿の「使いこなし」の視点から思うのは、まずシンプルな環境で音がちゃんと決まらなければ、やみくもに機能をセパレート化してケーブルの本数を増やしても余計に状況を悪化させるであろうということ。正直、あれだけ筐体の数が多かった頃より、今のシンプルな構成の方がずっとまともな音が出ているので、過去の自分に呆れてモノが言えません😩

それだけ、多筐体化したシステムにおいて「音をひとつの方向に揃える」ことは難しいのです。オーディオ上級者にとっては、やりがいのある趣味性の高い取り組みであるし、見事に統制されたシステムを構築されている方も、もちろんおられます。私とは次元の違いを感じさせますね。。。

 

「次回予告」

ツリー全てを読んで頂きたいのですが、次回記事で踏み込んでいく点は

「機材個々の音ではなく1本に繋がって聴こえる」の部分です。