創作されたものに、その人を重ねて見るという見方は、そういうセンチメンタルな傾倒に過剰に寄り掛かってしまうことはセーブしつつも、バランスを取りつつやはりそこに思いを巡らす必要はあるだろう。
そこを見ずに、何を見ると言うのか。
キャンパスに描かれた細部を把握する「それよりも前に」目に入ったその瞬間から、心の中に流れ込んでくるもの。
ヱリスさんの作品を観賞してまず感じるものって、りみゆさんの音楽に出会ったときの感覚にとても似ているんです。
世界観の表現手段として、音楽と絵のそれぞれの道筋があって、それは見ている世界が同じというわけではないけれど、共通の深いところで通じ合えている(と私は勝手に思っています)
「自身を作品に写し込める術」を体得している人には、必ず熱心なファンが付きます。それはどの世界でも同じことです。
雑誌「美術の窓」5月号に期待の新人として紹介された、若く才覚のあるヱリスさん。今後とも更なる飛躍を期待して、私もその活動を追っていきます。