RICOH GRIIIXを1カ月使ってみて

ストリートスナップの楽しさを教えてくれたカメラ

出掛ける際になるべく軽装であることを好むので、GRIIIXなら手軽に毎回持ち出す気分になりました。その前に使っていたLUMIX GF9もコンパクトな部類に入りますが、これでさえ家に置いてきてしまうことが多かったので・・・

元々はブログ記事作成用に少しでも綺麗な写真を撮りたいという欲求から、なるべく綺麗な中古のGF9を試しに買ってみたというのがカメラに興味を持つスタート地点でした。購入して最初の1年間は本当に無知に等しくキットレンズをずっと使っていたし、絞りの概念も知らないレベルです。ブログ記事作成用の素材としてしか考えていなかったので、外に持ち出そうという意欲もほとんど無かった記憶があります。

その後、SUMMILUXの単焦点レンズの旧型モデルを美品中古2万円で買ってみたあたりから、カメラで撮影することそのものが段々面白くなってきました。何度か外に持ち出してみることもありましたが、気が付くと再び室内でのブログ作成用に戻ってしまい、出掛ける際は家に置きっぱなし・・・

こういう性格の私が、GRIIIXを購入したことで初めて外にカメラを持ち出す習慣を継続することが出来ました。今まで、さして興味がなかった公園とかに行ってみたり、普段歩く街中でも何か面白い写真が撮れないかと頭を巡らしていると、普段見えている景色が「カメラを構えていなくても」これまでとは違って見えてくるものです。認知とか知覚の機能というのはこうして鍛えられていくのかもしれないと思いました。

「こんなに小さくてAPS-C」というスペックに惹かれたけれど

APS-Cなら、今までのマイクロフォーサーズより明るく撮れるという思い込みがありました。実際にはGRIIIXはレンズ自体が暗いのです。F2.8の時点で気付くべきでした。

撮影の対象がちょっと離れた風景写真だと、主題と背景の選択が上手くできません。パンフォーカスにしか撮れないのです。背景をボケさせるには思いっきり主題となる対象に寄って背景と距離を稼がないと無理でした。そしてF2.8でさえ相当良い条件でないと選べないし、マニュアルで無理に開放させると白飛びが激しくて使い物になりません。

先日の撮影ではポジフィルム調がそれなりに使えることが分かって多用する結果になりました。デフォルトだと紅葉の色が上手く乗りません。土気色っぽいというか、汚い感じになります。

これくらい寄ってれば奥の方でボケは出せますが、あまり綺麗ではない・・・

GRはモノクロが映えるというのは、確かに一面を表しているかもしれませんが、「欠点を上手く言い換えた」とも言えます。

結局、F1.4の単焦点レンズで主題を明確に描いた時の「真の解像度」と比較してしまうと、GRは底が浅いというか、それっぽい解像「感」しか出せていないことが分かります。

GRは「撮る楽しみ」は教えてくれるが、真の意味で撮影が上達しないのではないか

デフォルトの色乗りが悪く、基本パンフォーカスでアンダー気味にしか撮れないので、これで画になる写真を撮ろうとすると「基本を外した」ところで妙な当たり方を探す癖が付いてしまうように思います。この特性を分かって楽しんで使いこなすなら良いのですが・・・

なので手元にGF9とSUMMILUXレンズを残しておいたことは正解だったのかなと思います。場数を踏む練習としてはGF9をメインにした方が良いというアドバイスも受けたのですが、GRもせっかく買ったのでもうしばらくこれを使い倒して粘りたい気持ちもあります。