final ZE8000 発売前先行試聴記

発売は12/16ですが、3日から一般試聴できるようになったので聴いてきました。発売前に予約1stロットが埋まることはオーディオ界隈ではよくあることですが、それにしてもZE8000は非常に話題性が強いと感じます。

結論から言えば、常用するTWSはNoble FoKus Proに決めて先日購入したので(詳細は次回記事を予定)、ZE8000を今すぐ予約することはないです。来年春頃にカスタムイヤーピースの展開を予定しているらしいので、その段階でまた検討することはあるかもしれません。

 

FoKus Proは既存のオーディオ好きやマニアの価値観を踏襲し、それなりに高級な有線イヤホンを使用してきたユーザーが、TWSでも不満が出ないように仕上げてきた製品でしょう。Nobleというメーカーのサウンドイメージ、そしてFoKus Proの外観から想起されるような快活で爽やか、縦ノリ系の音はTWS市場との相性が良いこともプラスに働いていると思います。

ZE8000は、こうした「既存の流行」をブラッシュアップしてユーザーのニーズに応えるという視点で開発されたのではなく、私は全く逆であると考えています。

「むしろ問われているのは、聴く我々の側なのだ」

こういう音を新しい価値観として提案してみましたが、どうでしょうか?という。

 

あえて既存の価値観の指標からそのままオーディオ的性能を評価すれば、「基礎性能は高いが、それを感じ取りにくい」音です。細かい情報量・定位・分離、それらは意識を向けてフォーカスさせれば描けていることが分かりますが、量の多い曇った緩い低音が常に音場をマスクしていて、何とも言えないもどかしさを感じます。

古参のマニアなら「Sennheiser HD650を更に極端にした感じ」で伝わりますか?

私のヘッドホンオーディオのスタートはHD650からでした。なのであの感覚を思い出して割とすぐにフォーカスすることが出来ましたが、人によってはそのコツを見出すのに時間を要するかもしれません。

 

とにかく私もまだ困惑している部分があるし、ZE8000のサウンドの真価を見出されるのは時間が掛かるのかもしれません。いつの時代でも「新しすぎる物」は、一部の強い反発が存在するものです。しかしそれは特定の方向性を、そして新機軸を目指して開発されてきたことの証左とも言えます。個人的には「何もTWSで『これ』をやろうというのは挑戦的すぎる」とは思いますが。