アンダンテラルゴのレンタル試聴サービスを申し込み
CHORD SARUM T(RCA・USB)
GroundARAY BNC
上記製品を自宅で1週間試聴することができました。
このうち、GroundARAY BNCについては自宅試聴期間中にフジヤエービックに注文、取り寄せに8日ほど要し、試聴機を返却して3、4日後に注文してあった製品が到着となりました。
アンダンテラルゴのレンタル試聴サービスを利用した全体の感想というのが今回の主題です。
前年秋以降、COVID-19の流行によって気軽に都心に外出することに心理的な抵抗が強くなっています。またオーディオ専門店の方でも、これまでは来店予約不要だったお店が予約制に切り替えたり、予約制を導入しない店舗でも、人口密度が少しでも高いと判断したら入場規制を掛けたりすることが一般的となりました。フジヤエービックは後者で、オーディオユニオン等は前者です。普段から客足の多いeイヤホンはどうなっているのか、私は今年一度も入店していないので分かりませんが何かしら対策はされていると思います・・・
こうした世相において、自宅試聴が出来るサービスというのは需要が高まっているのではないかと思います。それもアンダンテラルゴは販売店ではなくて輸入代理店(一部自社開発製品がありますが)が行っているというのが、オーディオ初心者にとっては心理的な敷居・ハードルが低くなるのでは。
弊社は輸入・製造元のため、販売は取引先販売店様に一任しております。直接販売や電話・メール等による勧誘は一切ございませんので、お気軽にお申込み下さい。
こうした背景から、ハイエンドのSARUM Tを一度は聴いてみたくなるのか、人気が高くて試聴の順番が回ってくるのにそれなりに待ちます。私は2週間でしたがもっと長い人もいたようです。
オーディオ専門店から、メールのみのやりとりで気になる商品の自宅試聴を取り付けるには、前段階としてそれなりにコミュニケーションを取っておかないと現実的に難しい面がありますし・・・ またそうしたことがあまり得意でない方も多い印象があります。そもそも外交的な人間がこの趣味に辿り着くはずがない
きっかけとなる第一段階に二の足を踏みやすいんですよね。多分、一度成立してしまえば、言語能力は高い人が多いと思うので。対面会話でなく文章のやりとりなら尚更。
さて、レンタルサービスで自宅試聴した製品のうち、CHORD SARUM Tについて書きます。GroundARAYについては実購入しているのでもう少し先送りします。
SARUMシリーズは現行「T」は第三世代で、ひとつ前のSUPER ARAYをフォロワーさんにお借りしたことがあります。比較すると性能面ではかなり飛躍的な向上がありました。特に低域側の解像度・レンジの広さにおいて顕著です。ただし個人的な好みの範囲からはだいぶクール系にシフトしてしまっていて、これはシステム全体の調整幅を考えてもニュートラル側に戻すのは厳しいかな・・・
CHORDの有機的な質感はそのままで、温度感だけクールという音です。CHORDの音そのものが変わってしまったわけではないので、違和感なく馴染める人も多いとは思います。ただし旧来の温度感を維持したい人は、オーディオ的性能を求めない場合はアップグレードしない選択もあるでしょう。
最後に、「One Week Trial」の活用方法について個人的に思い付いたことを。
3種類まで同時に選択して一度に自宅試聴できるので、例えば実際に予算的に購入可能なものはひとつだけで残りの2点は経験値稼ぎでハイエンドケーブル(SARUM T)を選んでも全く問題ないわけです。私も実はこれでした。GroundARAYが本命でSARUM Tは記念にセットでくっ付けたわけです。現実的な予算、システム全体のバランスを考えるならEPICラインか、もうひとつ上げてSignature Super ARAYでも良いですが。
特に国内価格ではSARUM T RCAは40万円でこれは流石に高すぎです。実はUSBの場合はUKが2100€、日本価格は26万円でそれほど差はないのですが、売れ線であろうRCA、特にXLRは強気な設定です。インコネではUKの実売とは結構な乖離があります。(XLR接続の機器は所有してないので関係ない話ですが)
実際に自宅試聴してみて、好みの閾値から外れてる要素もあったので残念ながらSARUM Tにこれだけのお金を払う可能性は残念ながら低いかな・・・逆に言うとハイエンドケーブルだからといって必ずしもその人の好みと合っているわけでもない、というのは頭では分かっていても金額が高いと人はバイアスを自らに掛けてしまうものなので、無試聴で突撃購入して結果自分に合ってなかったらそれこそ悲劇というものでしょう。
借りられる3種類を全てUSB・RCA(XLR)・同軸デジタルのいずれかに固定して3つのグレードを選択する手もあるでしょう。その中に予算上限を含ませておけば、ハイエンドにはそれなりの価値があるのか、あくまで「自分の環境では」判断できる機会となり得るはずです。予算内のグレードとハイエンドケーブルで顕著な変化が感じられない場合は、機器側に情報量を捌く能力が不足している例もあるのでしょうが、この場合においては機器側のアップグレードが先決となり、それを知ることができただけでもレンタル試聴サービスを試した収穫はあったということになると思います。もちろん、オーディオは金が掛かりすぎるので現実を見てこの辺で上を見るのは止める、という選択もあります。