活かすも殺すも電源次第

先日のYAMAHA YH-5000SEの記事と間接的に影響する内容となります。

こちらの感想は私が先日eイヤで試聴した際の感覚と一致します。据置環境では音が暴れてうるさく感じ、DAP直の方がクリーンであると。E3 dCよりHPA4の方がおそらくASR的な諸特性は優秀だろうと思いますから、余計にうるさく感じるかもしれませんね。

というのも微細な情報量を拾い上げることが出来る機器であればあるほど、システム全体のボトルネックとなっている箇所も強調されるからです。特に大元の電源環境の影響は大きいです。逆説的に、ポータブルオーディオからスタートした方でそれなりのハイレベルな環境をお持ちの方は、実は知らずに結構クリーンな音で聴かれているものなんですよ。もちろん力感とか駆動力はACから取った方が強いのですが。

「隣の芝は青く見える」とは良く言ったもので、据置の人はやたらとバッテリー駆動を試そうとします。一方でFiiO M17のDC駆動が登場すると、皆コンセントから電源を取りたがり、大きなアナログ電源に憧れたりしています。実際にはそれぞれ得意な領域と苦手な部分があります。

 

Line EMI Meterはアリエクにも売っているし、結構ヤフオクにも出ています。あまり高くないので試しに1個買ってみるのも面白いかと思います。
これは自宅の電源ノイズ最小値です。ただしこれは「どこまで小さくできるか」だけを実験したものであり、PCやモニターの電源も切っているので、この状態で普段聴いているわけではないです。実際には夜間で100を切る程度、日中なら300以下といったところです。

色々ヒアリングして回った感触では、300を切る時点で結構良好な電源環境のようです。800とか1000を超えている例も多数あり、都市部のビル内の電源は悲惨で赤色MAX(2000mV)に張り付いていることもザラです。このような場合は、AC→DC→ACという形で電源を再生成するクリーン電源が効果を発揮します。フジヤさんがPS Audioの電源を導入しているのはこの対策の一環と思われます。

しかし大元の電源環境が悪いと、赤MAXだったのが1000とか800くらいまでは下がったとしてもそこから先は限界があります。「クリーン電源自体が発するノイズ」も存在するので、例えば自宅の環境でリジェレネータ方式のクリーン電源を導入するとノイズそのものは500くらいまで上がるのではと予想しています。(電圧の補正はできますが)

クリーン電源を導入すると音が鈍る、鮮度が下がるという印象があるので、きっちり100V出てなくて98Vくらいの環境ですが、あえてそこには手を入れていません。整って躍動感が削がれるよりも、私は鮮度や色彩感を重視しているからです。

半分は誇張表現でもう半分は本音だと受け取って下さい。。。